来春、高校入試突破を目標とする中学3年生の皆さんの中には、夏休みをどう過ごすかについて真剣に考えている人もいるのではないかと思います。「夏を制する者が受験を制する」なんてよく言われますが、夏休みをうまく使えば、志望校への道のりは大きく前進して、後から振り返ったときに「あの夏の勉強があったから合格できた」と言うことができますよ。
夏にやるべきことはまず1・2年生内容の復習です。学校で復習用の問題集を購入していたら、まずはそれをきちんとやりましょう。もし、市販の問題集を購入する場合は、単元ごとに、コンパクトにまとめられている問題集を購入しましょう。たとえ志望高校が難関と呼ばれる高校であったとしても、まずは土台をきちんと固め、弱点をなくすことから始めましょう。この夏は、その購入した問題集を必ずやりこなして、達成感を味わうことに専念してください。この達成したという成功体験は、秋以降、自信という「財産」をもたらすことになります。
入試問題に手を出すのはまだ早いです。というのは、特に数学や英語に関して言うと、2学期以降に学習する単元に、入試最頻出の単元が待ち構えているからです。今、手を出しても自信を失ってしまう可能性が高いです。それよりも、先ほども述べたように、1・2年生内容をきちんとやりきって弱点分野をなくしていくことに専念したほうがいいですよ。数学や英語の成績が伸びずに困っている人は、1・2年内容のどこかに弱点があることが多いです。なお、数学に関して言うと、小学校の時に習った「割合」の単元が弱かったりすることもあります。
得意科目ができれば、勉強ははかどります。スムーズに進んでいく科目があることは、大きな強みになります。
夏休みは一日中の予定を、自分で計画を立てて勉強できる機会ですが、単調な作業ばかりをしていると、飽きてしまうこともあるでしょう。問題集をこなすだけでなく、次のような勉強も取り入れてみてはどうでしょうか。
教科書の本文を声に出して読んでいくと、一文一文を理解できているかの確認になります。わからない漢字や言葉の意味なども、辞書を使って確認しておきましょう(電子辞書を使うのも有効です)。正しい日本語をインプットしていくことにもつながるので、作文対策にも役立ちますよ。
国語と同様に、声に出して読むことが大事ですね。意味がわからなかった単語や熟語などを書き出して、自分専用の単語・熟語帳を作ってみてもよいと思いますよ。英検3級を取得していない人は、この夏に勉強して、秋の検定合格を目指すのもよいですね。
ある程度1・2年生の復習をまんべんなくやってほしいのですが、特に関数と図形の証明の基礎問題はしっかりとこなしておきましょう。2学期以降の単元で、また関数・図形問題が出てきます。夏の仕込み次第で、2学期以降の成績の伸びが変わります。
理科や社会は追い込みがきく科目なので、焦る必要はないですが、この夏にしっかりやっておくと、模擬試験などで点が取れるようになります。一気に得意科目にしてしまうことも可能です。
一日中時間の取れる夏休みでは、時間の使い方に工夫が必要です。朝3時間、昼3時間、夜2時間の計8時間が理想的でしょう。一例を示しますね。
午前中は数・国・英などの思考・判断が重要なポイントになる科目を中心に勉強しましょう。朝の涼しいうちにということもありますし、起床して3時間後くらいが最も大脳がしっかり活動するといわれているからです。
昼食後は少し昼寝をして(15分くらい。あまり眠りすぎると逆効果です)頭を休めたあと、午後からは理科・社会など、覚えることを重視する科目を中心にやりましょう。
午後に少し身体を動かすのもよいかもしれませんね。
夕食後は、その日の復習に取り組んだり、や単語・熟語帳の作成などを行ったりするとよいでしょう。
夏休みの期間で、きちんと達成できるように、一日にやる分量などをきちんと計算して、計画を立てて決めておきましょう。
一人で勉強するのは何かと大変です。というのは、自分で勉強をするときによくやってしまうのが、「途中でやる気を失ってしまい、計画通りに進まない。進まないから、ますますやる気がなくなる」というパターンや、「自分の弱点や取り組めていないところに手をつけられず(あるいは気づかない)、勉強をやったという満足感だけで、成績の伸長には結び付かない」という失敗です。
学習塾を利用すると、これらの失敗のおそれが解消されることが多いです。よいコーチにつくことで、勉強のメニューを提供してもらったり、弱点を指摘してもらったりできるでしょう。また、周りの受講生に刺激されることで、自分の気持ちを受験モードに切り替えることができる絶好のチャンスにもなります。
夏休みを有効に使って、目標校に大きく近づきましょう。毎日の単調な生活に飽きてきたら、高校の体験入学などを利用して、自分のモチベーションを高めるとよいですよ。早いうちに方針を決めておいて、夏休みが始まったらすぐに動けるようにしておきましょう。