小学生の勉強法 その1
教科書の本文を書き写して学力アップ
小学校の教科書は成長段階初期の児童が読むことを想定して編集されているので、表現が平易で、読み手に伝わりやすい文体で書かれています。教科書の本文をそのまま写すことで、言葉遣い、文のしくみ(意味のとおる文の書き方)、文章の構成、段落設定、記号の使い方など日本語の表現の仕方をしっかり学ぶことができます。
まずは国語と算数で取り組んでいただきたいと思います。
国語の教科書本文を写しましょう
教科書に書かれている通りに書くことが重要です。ひらがなやカタカナ、漢字、記号、段落など、丁寧に書く練習をさせましょう。その際、おうちの方にお願いしたいのは次の点です。
- ノート(マス目入りのもの)を用意して、最初は書き方の手本を示してあげてください。
- お子様が本文を書き上げたら、書いた感想を書かせたうえで、まず、書いたことをほめてあげてください。
- そのうえで、添削して、コメントを書いて、直すべきところを示して、正しいものが書けたら再びほめましょう。
- 文字をたくさん書くというのは、慣れるまでは手が疲れます。お子様が慣れてくるまでは、おうちの方(お兄ちゃんやお姉ちゃんでもいいと思います)がそばで見てあげるとか、一緒に書いて教えてあげたりしましょう。
そうなんです。文をたくさん書くというのは、小学生のお子様(特に始めたばかりのとき)にとっては非常に疲れることなのです。
でも、お子様は文を写すという作業を続けていくことで、だんだん文を書くことに抵抗がなくなってきます。また、書き終えた達成感・成功体験を味わうこともできます。だから続けられるように、おうちの方がしっかり見て、ほめて…という作業をしてあげてほしいのです。本文を書き写すメリットは、上記以外にもこんなにあります。
- 一つ一つの文を正確に書く練習をすることで、集中力が増していく。
- 文字を正確に書こうとするので、新出漢字なども覚えやすくなる。
- 一つ一つの文を書いていくので、どの文でつかえてしまっているのかがよくわかる(お子様本人もおうちの方も)。
- 言葉や文を丁寧に追っていくので、読解力がついていく。
学年が上がっていくにつれて、国語の力はほかの教科の学力に反映されてきます。しっかり取り組ませてあげてください。
算数の文章題の問題文を書きましょう
算数の文章題をノートに解かせるとき、式と答えだけを書いて「解けた」とするのではなく、問題文も写すようにすることをお勧めします。そうすることで、お子様は問題文の意味について、しっかり考える習慣が身につくようになります。また、問題文の意味を取り違えたり、答える内容が抜け落ちたりなどといった間違いも防ぐことができます。おうちの方の指導もしやすいと思います。
本文を書き写したり、問題文を書き写したりすることで、お子様は国語力がアップし、苦労してやり遂げる達成感・成功体験を味わうことができます。おうちの方にとっては、最初取り組ませるときの苦労がありますが、将来の学力アップと、何よりもお子様の精神的な成長につながると、私は考えます。