小学校低学年までの学習法 その1

 なぎら健壱さんが歌っている『いっぽんでもニンジン』(作詞:前田利博、作曲:佐藤寿一)という曲をご存知でしょうか。私くらいの年代の人(40代後半)たちにすると、「懐かしすぎる」と感じる歌で、私が幼稚園か小学1年生の頃だったと思いますが、子ども向けのテレビ番組でよく流れていました。私自身、家で家族と、外で友達と…よく歌っていたのを思い出します(もしご存知なければ一度検索してみてください)。

 

 数字と数との関係、日本語ではモノによって数え方(本・足・匹など)が違うんだ…ということを学ぶことができるいい歌だと思います。

 

小学校低学年までの学習は、「遊び」と「体験」が大部分

 小学校低学年までの子どもの「学習」というのは、「遊び」や「体験」が大部分だと私は思います。

 

 例えば、小さいうちに群れて遊ぶことはとても大事で、遊び方を工夫したり、仲間で話をしたり議論したり時には意見がぶつかったり…などという経験から、私たち人間は、人間として生きていくうえでの根っこの部分を学んでいきます。

 

 また、おうちの手伝いをする中での、「あそこにある5個のリンゴのうちから1個持ってきて」とか、「あと10分でご飯にするから準備を手伝って」などの会話なども非常に重要だと考えています。こういう日常の会話で子どもは、おうちの方と遊びながら、数や時間について学んでいくんですね。同時に、お子様に対するしつけにもなると思います。

 

 つまり、小学校低学年までの子どもには、「勉強」であることを意識させずに学ばせることが重要だと私は考えています。先ほどの会話も「数の概念を理解させよう」「時間的な感覚を身につけさせよう」という工夫(目的)が散りばめられるべきだと思います。

 

少し時間を作って一緒に楽しく遊び、学びましょう

 難しく考える必要はありません。家族ですごろくをやるのもいいですし、本を一緒に読むのもいいかもしれません。そのときに例えば「あと何マスでゴールできるかなあ」、「あと15分で9時だから、9時になったら終わって寝ようね」とか「これって何だろうね。一緒に図鑑で調べてみようか」なんていう会話ができるといいですね。

 

 「勉強」を意識させず(せず)に、「遊び」や「体験」から学ばせる。子どもたちは元来、「知りたい」という欲求を持っています。その欲求を大人が、どのように刺激してあげるのかが重要だと私は考えます。

いわゆる「勉強」であると意識させない(しない)ことが重要

 私は幼稚園や小学校低学年の頃、母から日本地図や世界地図のパズル、日本列島を鉄道で旅するボードゲーム(名前を忘れてしまいました)などを買い与えられました。夢中になって、家族や友達とパズルやゲームをしょっちゅうやっていたのを今でもよく覚えています。そのおかげだと思うのですが(友達に負けたくないので、あとからでも練習するんですね)、高学年になって、都道府県や県庁所在地、国名を覚えるのにあまり苦労した覚えはないですし、高校では文系なのに地理を選択科目にしていました(文系は普通、日本史か世界史を選択することが多いんだそうです)。

 

 算数に関しては、おはじきやタイルの模型を使うといいと思います。親子で一緒に取り組むことで、おはじきを使えば、遊びながら数と数字の概念や関係を理解させることができますし、タイルではくり上がりや位取りのしくみ(要は10進法のしくみですよね)を理解させることができると思います。

 

 ちなみにこれは私が高校生を指導してきた経験なんですが、小学生のときにタイルなどで位取りの仕組みをきちんと学んだ(と言う)子どもたちは、高1で習う n進法(いわゆる2進法・5進法などです)の理解が早いです。小学校で「一の位」「十の位」「百の位」「千の位」…と言っていたのを、2進法では「一の位」「2の1乗の位」「2の2乗の位」「2の3乗の位」…と言い換えれば、何進法でもたちまちできあがるのですから…。それほど小さいときの体験は貴重なのです。

 

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